疾馬の設計図(別館)

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help リーダーに追加 RSS 明日の記憶

<<   作成日時 : 2008/06/28 21:05   >>

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 本日は本の感想。「明日の記憶」(荻原浩)。

 広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく。けれども彼を取り巻くいくつもの深い愛は、失われゆく記憶を、はるか明日に甦らせるだろう!山本周五郎賞受賞の感動長編、待望の文庫化。

 先日の「神様からひと言」に続き、早くも荻原さん作品の2作目に手を伸ばしました。渡辺謙の主演で映画化されて話題になった「明日の記憶」です。
 コメディタッチで主人公の成長を描いた「神様からひと言」とはまったく違う作風。「若年性アルツハイマー」という大病を患った男を主人公に据えた、シリアスで哀愁漂う切ない作品です。「記憶」を主題にした作品では、「明日の――」の直前に小川洋子さんの「博士の愛した数式」が出ており、荻原さんも執筆中にかなり気になっていたようですね。しかし読んでみた印象は、どちらの作品もそれぞれまったく違った趣がある、といった感じです。
 両者の徹底的な違いは、視点の問題でしょうね。「博士――」は記憶の病気にかかっている博士を、主人公が外から眺めながら話が進んでいきます。対して「明日――」は主人公自体が記憶の病気にかかっているんですよね。そういうわけで「明日――」のほうが、病気に対する想い、恐怖、不安などがよりストレートに読者に伝わってきたような気がします。
 そう、ストレートなんです。ストーリーの構成も割合シンプル。大病を患った男がいて、それを取り巻くように家族や会社の後輩などの存在があって、彼や彼女らとの感情の交流が描かれている。でもそういったシンプルな構成で読者の心を惹きつけるのは、容易なことではないんですよね。その点、「明日――」は丁寧に描写がなされていて、まさに「人間ドラマ」といった感じでした。渡辺謙さんが自ら「この主役を演じたい!」と言い出したのも頷けます。
 でも「博士――」と「明日――」どちらが好きかと聞かれたら、管理人なら前者を選ぶかな……。ただ単にタイガースネタが豊富だから、という理由だけですけど(^_^;)

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タイトル (本文) ブログ名/日時
明日の記憶
著者:荻原 浩出版:光文社文庫 紹介文: 渡辺謙さんが原作を読んで「映画化したい」と、自ら作者にFAXをした、というエピソードのある作品。若年性アルツハイマーに冒された主人公の恐怖にはリアリティがあって、とてもフィクションとは思えません。陶芸教室のエピソー... ...続きを見る
どくしょ。るーむ。
2008/06/28 23:07

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
「博士――」が2004年本屋大賞、「明日――」は翌年惜しくも2位だったんですよね。
どちらも派手な展開はないけど心に残る作品でしたね。
あ、偶然ですけど、私も「神様から神様からひと言」「明日の記憶」の順番で読みましたよ(笑)
ia.
URL
2008/06/28 23:17
>ia.さん
そうでした、2位でも十分すごいですけどね^^2005年は恩田陸さんの「夜のピクニック」が大賞を獲ったんでしたね。
>偶然ですけど、私も――
おぉ、ほんとですか! なかなかの確率ですよね。ちなみにぼくは次に「ハードボイルドエッグ」を読む予定ですが……まさかそこまでは一致しないですよね^^; 
shitsuma@管理人
2008/06/29 21:31
あ、この話には入れます。
「明日――」は映像で、「博士――」は映像も本もです。わたし、こういう人間の内面を描く作品が好きです。映像は間があるというか、そういうシーンでいろいろ考えを巡らせることができるのが好みなんです。
若年性アルツハイマーは、自覚しはじめるところが辛かったです。誰だって年をとると、ぼけてきます。ほんと、「年寄り笑うな、行く道じゃ」とは、よく言ったものです。
つる
2008/07/03 01:59
>つるさん
「間」が絶妙に挿入されている映画は、ストーリーにも入りこみやすいですよね。「明日」も「博士」もぼくは映像では観ていないのですが、キャストの名前を見る限りでは良質の映画に仕上がっていそうですね。
>自覚しはじめるところが辛かった
誰でも「自分はまだ大丈夫」と思っているところがあるでしょうし、そこに突然病気の宣告を受けたら当惑するでしょうね。本で読んでいても、その辺の不安がよく伝わってきました。
shitsuma@管理人
2008/07/03 11:06

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